「創業者で、年齢が100歳以上 今も現役で厨房に立っているラーメン店を探してほしい」——テレビ番組ディレクターからの依頼。この依頼を受けた時、フリードは「これは面白い」と感じた。単なる「老舗ラーメン店取材」ではなく、「現役×100歳以上」という奇跡の店を探す旅。関東を舞台に繰り広げたこの食リサーチの全記録を公開する。
依頼の詳細と「不可能に近い」条件の整理
依頼元は情報番組の制作プロダクション。「日本人に愛されている味」をテーマにしたグルメドキュメンタリーシリーズとして、「創業から続く100歳店主の食堂・ラーメン店」を全国から探していた。追加条件は「可能であれば、現在も創業者一族が経営していること」「店主が現役であること」だった。
「創業60年以上で店主が100歳以上でご存命のラーメン店」という条件だけでも難しい。日本のラーメン文化は明治末期から大正期に発祥したとされ、創業60年は1960年代以前の開業を意味する。さらに「店主が現役」という条件が加わると、対象は極めて限られる。
デスクリサーチ:「100歳老舗ラーメン」を探す
フリードはまずデスクリサーチから着手した。活用した情報源は多岐にわたる。
- フリード「老舗飲食店データベース」:過去のグルメ番組リサーチで収集した全国の老舗飲食店情報(約3,500件)
- 文化庁「100年フード」認定リスト:100年以上の歴史を持つ食文化・郷土食・伝統食品を認定したリスト
- 各都道府県の「観光百年老舗」認定制度:関東地方の観光協会が認定する老舗店舗リスト
- 地方紙・地域情報誌のデジタルアーカイブ:「100歳」の記事を全文検索
- フリード現地リサーチャーネットワーク:フードライターへのヒアリング
検索の結果、「店主100歳以上・関東在住・店主が現役」の条件に合致する店舗が3件ピックアップされた。さらに「ラーメン系」という条件で絞り込むと1件になった。
おばあさんとの出会い:関東近県
条件に合致したのが関東近県の小さな町で営む、街中華のお店だった。店主は、当時101歳。大正14年(1925年)生まれで、昭和30年(1955年)にご主人と開業、以来70年にわたって厨房に立ち続けてきた。
地元では有名だったが、キー局での密着テレビ取材は初めてだという。フリードのリサーチャーが初訪問したのは12月の平日昼時。雪の積もる日だったが、お昼前後から厨房で仕込みをしていた。101歳とは思えない動きの速さと、長年培われた手技の確かさに、リサーチャーは思わず圧倒されたという。
グルメドキュメンタリーに必要なロケ地確認の手順
「ここだ」と確信したフリードのリサーチャーは、即座にロケ地としての適性確認を開始した。グルメドキュメンタリーのロケ地として確認すべき事項は多岐にわたる。
ロケハン・チェックリスト
- 提供料理の真実性確認
- 店主・家族の意向:撮影・放送に対する理解度と同意の確認
- 営業形態:撮影可能な曜日・時間帯の確認(営業時間との兼ね合い)
いずれの条件も問題なかった。むしろ、「ぜひ撮ってください。この店のことを多くの人に知ってもらいたい」と積極的だった点が印象的だった。
撮影許可書に明記した合意事項
- 営業への影響最小化:撮影は「定休日」か「営業終了後」も活用することで合意
- 店名・住所の取り扱い:番組内での店名・場所の公開範囲
- 出演料の有無
- 放送後の懸念確認:「取材後に客が殺到しても対応できない」「SNSでの誹謗中傷」などの懸念発生リスク
これらの条件を全て合意文書(撮影許可書)に明記し、双方が署名した。フリードはこの過程全体をコーディネートし、撮影から約4週間後に無事番組が放送した。
まとめ:グルメ番組リサーチの本質は「物語の発掘」
老舗の店を探したこのリサーチが教えてくれたのは、「グルメ番組リサーチは食の情報収集ではなく、食に宿る物語の発掘だ」という真実だ。101歳で現役の店主が60年間以上守り続けてきた一杯のラーメンの中には、時代の変化・家族の歴史・地域の記憶が凝縮されている。それを発見し、番組に届けるプロセス全体がフリードの仕事だ。グルメ番組リサーチ・老舗取材でお困りの方は、フリードにご相談ください。
■ このリサーチのポイントまとめ
- 「100歳×現役店主」という二重条件を全国3,500件超のデータから絞り込み
- 文化庁「100年フード」リスト・関東地方老舗認定制度等を横断検索
- 提供料理の真実性・店主家族の意向・営業形態など6項目で適性チェック
- 放送後の「客殺到問題」「SNS誹謗中傷」への事前対策を合意文書に明記
- グルメ番組リサーチは「食に宿る物語の発掘」がフリードの核心価値